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トリレンマ(前頁参照) 経済発展 . . . .. . . .. . . . . エネルギー・食料資源確保.. . . . . 環境保全 . . . . .. . 次世代エネルギー構想 「トリレンマ問題群」という書物(前掲)からの抜書きである。(電力中央研究所の編・著、1998年10月初版)。監修の言葉として〜「21世紀は、それ以降の人類の持続的発展を左右する非常に大きな試練の世紀〜世界の人口の20%の先進国が世界のエネルギー消費量の70%以上を消費する、未だ20億人もの人たちが電気のない生活をしている。〜そして世界の人口は増え続け〜環境の破壊・劣化は加速度的に進行し、一刻も放置できない〜〜 新しいエネルギーの創出 太陽熱利用技術 住宅などの給湯・暖房や冷房を目的とした温水器やソーラーシステム・太陽熱により上記を発生サセタービンで発電(太陽発電=多数の反射鏡を太陽を追尾する形で回転させながら太陽光を集熱機に集光し、その中を流れる水を加熱し蒸気を発生させる)) 太陽熱発電 : 2011.9.8高知新聞 国内最大・太陽光発電所 堺市・大阪湾臨海部・に完成。1万KW・約3千世帯分の電力を供給可能。約21haの敷地にシャープ製の太陽電池を約7万2千枚設置、着工は2009年・・・。 設備の中央に蒸気を発生させるタワーを設け、そのタワーに集光するタワー集光方式と、コレクタと呼ばれる曲面ミラーの焦線に集熱管を装備する分散方式がある。 曇天日や雨天日は発電できない。いわば年間を通じて天気が良く、広大な未利用平地を有する砂漠地向きの発電方式。わが国では、散乱光も利用できるように、化学反応を利用して低温の熱源より高温の熱源を得るケミカルヒートポンプ技術が研究されているという。 オーストラリアの高さ1,000mの太陽タワー(直径6.4kのガラス盤の中心にたち、太陽で熱せられた空気はタワーを上昇し、32個のタービンを回す。20万世帯の電力を賄う予定。2006年の完成予定。ロンドン2003.1.4共同:世界一のトロントのCNタワー(アンテナ部分を含め553m、ビル本体の世界一はクアラルンプールのペトロナスツインタワー(452m) 海上風力発電 2008.7.8高知新聞 九州大学 浮体の寿命100年超(炭素繊維強化プラスティック製コンクリート開発、高強度でさびにくく耐用年数が100年異常なのでコストを大幅に抑えられる・・風車や太陽光パネルを載せる・得られた電力は海水を電気分解し水素を作る。水素は船で陸に輸送して水素発電や燃料電池に使う。・・。 風力発電 : 風が強く、無風時間が少ないほど良い。設置場所として、平均風速が7m/s以上吹く、季節風を受ける僻地の場所が有望。 暴風対策として、風速が風車の最大回転風速に達した時に風車の回転数を徐々に減速し、最終的にブレードを水平にし、ブレーキで拘束・固定。 岩手三陸町・山形酒田市では、イヌワシの保護・景観保全・自然林の伐採に伴う水源涵養などの面で反対の働きが高まり、住友商事や新日鉄は計画を撤回。2001.3.選択vol27No3 2012.5.20高知新聞 日本国内の風力発電所の総出力は、2002年度からの10年間で焼く5倍の計約250万KWに拡大・・。2011年末の世界の風力発電の総出力は2億4千万KW・・・1位中国、日本13位・・。日本風力発電協会試算では、日本で事業化が期待できる出力は陸上で1.4億KW・沿岸部や海洋上で約6億W・・。 2012.5.6高知新聞 ・・・ 徳島に四国最大風力発電 上勝、神山町 風車20基 6万KW計画 2018年開始目指す 風力発電事業大手のユーラス・エナジー・ホールディングス(東京電力40%出資)・・・・・ 四国では既存最大は伊方町2万KW・・。 2011.3.9高知新聞 昨年1年間、日本で新たに建設された風力発電の容量は22万1千KWで、最も多かった中国の約75分の1(世界風力エネルギー協会=GWEC調査)・・世界の総容量前年比22.5%増、わが国は焼く10%と立ち遅れ・・。2010中国1650万KW 、米511.5Kw 、インド213.9、スペイン、ドイツ・・・日本18位。 2003.12.26 高新 水面反射を利用した太陽光発電システムの実験開始 エム・セムテック高知工場(須崎市)「将来的には休耕田に水を張って農家が売電収益を上げるなどの利用法も考えられると機体している。(16m×8m×30cm。シリコンウエハーを組み込んだパネル12台を垂直に設置・両面受光が特徴(片面よりエネルギー変換効率が高い)。全体で約2kwあり、」工場内の街路灯や池の水を循環させる水車の動力に利用。)ー後略ー 2003.12.23日経 家庭で風力発電 西島製作所・九州大学共同で、「風レンズ型風力発電機」(羽根のまわりに鍔(つば)を付け、受けた風を中央に集め・風速が外部の1.7倍になり、2m程度の微風で羽根が回る。1時間500Wタイプで鍔の直径1.8m30万〜40万円、1500wタイプで100万円。 アメリカでは中型機(平均100kw)によるウインドファーム、ヨーロッパ各国では大型化が進みメガワット級が出回リ始めているという{ドイツがアメリカを追い越し世界一の風力発電の所有国)。 地熱発電 2006.9.5高新 全国19基の昨年度末の合計出力は訳53万kw(原発1基約100万kwの半分)、日本のエネルギー供給の約0.2%。景観や温泉枯渇に対する懸念、電力1kwを1時間発電するのに必要な発電原価が地熱では約13円・石油10円・原子力6円と割高 地熱エネルギー : 半径6400kmの地球の中心部は、6千度以上、人間が利用できる範囲{例えば深さ4キロメートル程度以内}を地熱資源とよび、火山国のわが国では、地下100mで約20度、一般的な地下増温率は100mで3度(大陸などより高く、2倍以上,あると思われる)といわれているという。 わが国における地熱の利用は、暖房・給湯・施設園芸・養殖・道路融雪・工業・そして、地熱発電 地熱発電は、有害物質は基本的に環境には放出されない方式{還元井により再び地下に戻される}なのだが、冷却塔などから、水蒸気と共に二酸化炭素・酸化硫黄が極めてわずか大気に放出されるほか、熱水中に溶解している炭酸カルシュームや珪酸が配管中に析出して詰まらせる、いわゆる、スケールが問題なのだそうである。 発電コストが高い・有望地点の多くが国立公園など開発規制圏にある・温泉への影響を懸念する地元との調整・発電規模が小さい。 次世代の地熱開発として、高温岩体(HDR:Hot Dry Rock)発電と、更に深い地殻の熱いエネルギーを利用しようとする超臨界地熱貯留層の研究がわが国で実施されている。HDRに人工的に亀裂を作り、冷水を注入し、亀裂内で熱くなった水を地上に戻す壮大なシステムを目指す。また、超臨界状態とは、液体でもない気体でもない状態を指す。多くの水熱化学者は大きな興味を抱いているそうで、この超臨界の地殻環境からエネルギーを抽出する研究を東北大の研究グループは取り組んでいる。(2000.6.28高新、同大学地球工学科・土屋先生)
揚水(水力)発電 : 建設費、河川流量減少に対する水生生物、水質、景観、猛禽類対策などの環境保全。40年以上経過した既設水力発電設備の適切な維持・管理・寿命延伸対策が課題。 ダムの堤体{コンクリート・岩(フィルダム)}、水路に付属した構造物(鋼製ゲート・水圧鉄管・取水口スクリーン・導水路トンネル)の腐食、漏水、振動、疲労、座屈、クラックなどに対する監視と対策。ダム湖の堆砂や漏水対策。 遠隔監視・遠隔操作など省力化とコスト低減、今有る国内設備の健全性維持と寿命延伸対策 リサイクル型のエネルギー : 廃棄物の利用(ダイオキシンの発生の抑制=拡散の反語)、農業廃棄物の利用(豚・牛の畜糞および鶏糞=リンやカリウムを含む焼却灰を牧草の肥料として売却。糞尿に有機廃棄物を混合しメタンガスを発生させる農場用バイオガス施設の稼動(メタンガスの放出は温暖化の原因ともなるがメタンガスを抜き、さらに、後の残留液から液体肥料を生産)。 林産バイオマス : 若返らせて炭酸ガス吸収に役立たせ、間伐材を活用 排熱利用 : 下水処理排熱・河川熱・海水熱・電力設備や地下鉄の排熱・工場(コークス)排熱・ゴミ焼却排熱・変電所排熱 海洋温度差発電 熱帯地方では30度にまで上昇。沸点の低いアンモニアやフロンなどの液体は気化するので、その蒸気を使い発電。さらに深い(500〜1000m)4〜7度の冷たい海水をくみ上げて、気化したアンモニア等を再び液化して再利用する。海洋の温度差があれば,昼夜を問わず連続発電が出来る。<海洋構造物の建設コストが高い・温度差が大きい地域が限られる、実験中) 波力発電 1998海洋科学技術センター(横須賀市)は三重県の五ヶ所湾で実験開始<1978年から実施された山形県鶴岡市沖の日本海に続き2回目最大出力110kw エネルギー利用効率の向上 燃料利用の高度化・多様化 石炭を細かく砕いて燃焼させる微粉炭燃焼方式。石炭ガス化複合発電方式(IGCC;石炭をガス化し、精製したあとガスタービンで燃焼させ発電するとともに、高温のガスによって蒸気を発生させ、さらに蒸気タービンによる付加発電を行わせる(瀝青炭中心)。 溶融炭酸塩型燃料電池(MCRC)は、600度〜700度の高温動作型であり、石炭ガス化ガスを直接燃料電池に利用できるという特徴から将來的には、石炭ガス化装置との複合発電を形成した大型の火力代替電源としての利用が考えられている。更に高温の1000度レベルで動作する固体電解質型燃料電池(SOFC)は、小型のオンサイト電源から大規模電源までの幅拾い応用が考えられている。 低温動作{約200度}のリン酸型燃料電池(PAFC)は、50〜1000kw級の小型ユニットが内外のメーカーによって開発・推進されている。 コージェネレーション : 燃料を燃焼させるなどして、電気を発生させる際に、同時に利用可能な熱を取り出し、電気と熱の両方を同時に発生・利用する方式。 システムは発電{ガスエンジン、ガスタービン、ディーゼルエンジン}・排熱回収・廃熱利用の各ユニットから構成される 熱の需要地が発生源に近い(大型のビル・病院・ホテル・化学事業所)場合により有効 ヒートポンプのフロン代替冷媒としては、炭酸ガスが期待されており85度程度の給湯用では、フロンより15%ほど高い性能(成績係数)が得られることが明かになっている。 熱電発電方式 : 異種金属の接合による熱電変換機能を用いて、低温の熱を有効な電気エネルギーに変換しようとするもの。現在、ビスマス・テレル系の素子で200度の温度レベルの熱から、3〜4%程度の効率で電力が得られるようになってきており、例えば、燃料電池の排熱を利用した場合、全体としての発電効率を1ポイント程度向上させることができるそうである。 将来に期待する 自然・海洋(海洋熱や波力)・バイオマス・水素・メタンハイドレート・超伝導 天然ガスは、現地の液化基地で液体にして日本に運ばれる(圧力をかけながら冷却すると、マイナス162度で天然ガスの体積は600分の1の液体に代わる:これがLNG、つまり液化天然ガス)。陸揚げされたLNGは超低温に絶える特殊金属で造られた地下タンクに貯蔵。LNGは水に注ぐと急激に温められて一気に元の気体に戻る。 天然ガス固体化 安全に輸送 三井造船08年にも 天然ガスハイドレード(NGH);一定の条件下で天然ガスと水が固体化し安定した物質で、発火性が低く扱い易いのが特徴、「ペレット」と呼ばれるNGHの塊を工業的に製造する技術が開発された。2004.3.27高新。LNGは氷点下162度で貯蔵しなければならないが、NGHは同20度前後で安定。輸送船の建造費用もLNG船の2分の1から3分の1で済む(同社) メタンハイドレート : メタンなどの天然ガスが氷の中に閉じ込められてできたシャーベット状の水分子とマタンガス分子からなる化合物質である。地中に広く分布し、推定埋蔵量は天然ガスの確認埋蔵量の200倍にも達すると考えられている。化石燃料の中では、最もクリーン。 取り出す方法・メタンガスと水に分解する方法・技術開発はこれから。 2012.1.6高知新聞 メタンハイドレード(MH)の商業生産に向けた実験が本格化している。・・札幌市の「産業技術総合研究所メタンハイドレード研究センター」・・「減圧法」MHの結晶が混ざった砂の層まで井戸を掘り、水をくみ上げることで圧力を下げ、高圧の状態で結晶化したMHをガスと水とに分解してガスを回収する(CP上のシュミレーションでは60%回収)渥美半島沖の実験場で・・国の委託を受けた石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEO)が2月試験用の井戸を掘る・・・。 1996年7月7日高新、水深1000〜5000m、固体のままの採取は、困難とみられ、通産省・資源エネルギー庁は5ヵ年計画で基礎調査(音波探査)に2001より着手(2000.8.19高新)する。 アイスランドは最終的には水素社会にすると決めている。日本でも数千に及ぶ離島を利用するという考え方も出来る。そこに半地下式の超安全炉を建設し、海水を電気分解、発生した水素を液体化して本土へ。利用するということもありうる、50年、100年という長期の社会目標をもつことも重要である。(帆足興次氏) 超伝導電力機器の開発 : 1970年代の後半から各国で開発が進められてきた。ケーブルは導体部分を超伝導化して1万A以上の大電流と7万V程度の低い電圧で運転し100万kw以上の電力をコンパクトに送電することが実現できる。発電機・核融合マグネット・医療診断用のMRIマグネット・磁気浮上列車マグネット・電磁推進船など超伝導マグネットが零下260度以下で冷却する金属系超伝導線を用いて開発された。1980年代後半の高温酸化物超伝導線材料(イットリューム、ビスマス、タリウム、水銀)の発見はこの臨界温度を一気に零下200度付近にまで高め、条件を緩和させたが、実用にむけての開発が急務。 核融合 実用化は2050年か。数億度の高温プラズマによる自己点火条件の達成を狙う国際熱核融合実験炉(ITER)、重水素と三重水素を使い燃焼試験を実施,出力50万kwで500秒を目指す.(1999.6.28高新) )
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